愛知学院大学歯学部同窓会愛知県支部医院継承システム

昨今、我々の置かれている医療環境は、年々厳しさを増しているが、少子高齢化の波は、歯科界にも大きな影響を与えることは必至である。更に歯科医師増加問題は、ますます歯科医業経営悪化に拍車をかけている。最近では、歯科業界雑誌のみならず、一般向け雑誌の中でも歯科医師のワーキングプアーに関する記事が多く書かれている。本年度は、歯学部志願者数の半減、私立大学歯学部の入学者定員割れなどが示すように、我々の歯科業界も悪化の一途をたどるばかりである。現在、おおよそ、年間2,000名の歯科医師が誕生し、1,000名の歯科医師が死亡する状況である。

愛知県歯科医師会会員現況は3,643 (平成214月末現在)であり、過去5年間の統計では、毎年64.6名の入会がある反面、40名の退会ならびに死亡が報告されている。また年齢構成では71歳以上の会員が全体の10.0%、61歳以上では27.2%を占め、明らかに高齢化が進んでいることが伺われる。

本同窓会愛知県支部も1回生が66歳となり、今後も必然的に高齢化が進むこととなる。これにともない諸事情(病気、高齢、開設者の死亡、後継者不在等)により閉院せざるを得ない診療所も年々増加の傾向にある。また、平成11年度の県歯厚生共済部のアンケートによると、全回答数1,881件のうち「後継者在り」と回答した者は全体の25.8%に過ぎず、30.0%が後継者無し、44.2%が現時点では不明と回答している。また、46.5%が歯科医として仕事を続けたいと回答した反面53.5%は仕事を離れ、旅行、趣味などをして過ごしたいと回答している。

一方、近年の新規開業に関して、県歯の「新入会員アンケート」によれば、37.4がテナント開業で、開業資金は4,0005,000万円を要しており、開業資金調達と開業場所選択に苦慮し、開業後の医院経営の厳しさを訴えている。さらに、他業種よりの歯科界参入や大型診療所の開設、メーカー、歯科用品商、建設業者等の主導による無秩序かつ強引な新規開業が、各地区での入会問題等でトラブルを起こしたり、非会員の増加を助長している。

そこで、本会に「医院継承システム」を設立し、既存会員の診療所を新規開業予定者に継承することにより、医療機関数の増加抑制や歯科医師会(各地区、県、日本)未入会者の発生防止に一役を担うとともに、継承者にとっても新規開業よりも大幅に少ない資金で開業することができ、かつ患者引継ぎ等により、運転資金も少なく済み、医院経営安定への目安も計り易く、かつ会員本人または家族にとっても経済的援助が得られるなどのメリットも考えられる。

                 愛知学院大学歯学部同窓会愛知県支部 渉外


■医院継承物件登録票